原初の精神 -アフリカ近代史・現代史- アンゴラ
Primordial spirit
- African modern history / present history - "Angola"
原初の精神 「アンゴラ」
長年の独立戦争で疲弊した国
アンゴラ共和国(ポルトガル語: Republica de Angola)、通称アンゴラは、アフリカ南西部に位置する共和制の国家です。
アンゴラは長年ポルトガル植民地でした。1961年から10年以争は、ポルトガルとアンゴラ双方を大きく疲弊させました。
内戦終結後は原油やダイヤモンドなどの豊富な資源を背景に経済発展が見られ、首都ルアンダは大都市化しました。
しかし、20年間以上続いた内戦のために1000万個を超える地雷が未だに埋まっているそうです。
さらに、首都のルアンダでは2009年時点で世界一物価が高いことや、原油価格が下落し、数多くの貧民とスラムを抱えたなど数多くの問題を抱えています。
(以下Wikipedia より) ------
かつてはコンゴに代わって奴隷の供給源になった歴史も
1506年に即位したンジンガ・ムベンバの時代に、コンゴ王国は積極的にポルトガルの文化やキリスト教を採り入れ、ンジンガ・ムベンバは首都ンバンザ・コンゴをポルトガル語のサン・サルヴァドールと改名した。その後、ポルトガル人はコンゴに代わって南のアンゴラを新たな奴隷と、カンバンベに期待されていた銀の供給源と見なし、1575年にアンゴラに到達したパウロ・ディアス・デ・ノヴァイスがポルトガル領アンゴラを、翌1576年にルアンダを建設し、ポルトガルはルアンダを拠点にさらなる奴隷の供給を求めて、さらにアンゴラ内陸部への侵略を行った。
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1961年アンゴラ解放人民運動(MPLA)が、政治犯の解放を求めて首都ルアンダの刑務所を襲撃しアンゴラ独立戦争(ポルトガルの植民地戦争)が始まりました。紆余曲折のすえMPLAは1975年11月11日にルアンダでアンゴラ人民共和国の独立を宣言しました。
しかし独立を果たした後も内戦が続き、以下の3勢力により支配地域が分かれます。
- ソビエト連邦が支援するアンゴラ解放人民運動MPLA
- アメリカ合衆国が支援するUNITA
- 中華人民共和国とフランスが支援するFNLA連合
アンゴラは第2代大統領にMPLAジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントスが就任し、社会主義陣営との結び付きを強めMPLAによる一党制を敷きました。
中国とアンゴラの関係
冷戦終結後、中国はインフラ整備を行い、アンゴラに対し2007年までに1兆5000億円の資金援助をしました。また、アンゴラは原油の4分の1を中国に輸出しており、最大の輸出先になりました。
また外国企業の進出も盛んであり2004年に中国の政府系金融機関中国輸出入銀行(中国进出口银行)は20億ドルの現金をアンゴラに貸し出しローンはアンゴラのインフラの再建に使われました。
現在では中国はアフリカ諸国に対する債務超過をかかえ、アフリカとの蜜月は終わったという説もあります。
石油産業の支配はアンゴラ政府が所有するコングロマリット、ソナンゴル(Sonangol Group)によって強化されました。
経済成長を遂げた首都ルアンダ
アンゴラは、ナイジェリアに継ぐ産油国で、世界の石油の50分の1をアンゴラが産油するようになった時期もありました。石油の売上がGDPの3分の1、また輸出額がアンゴラ全体の90%を占めていたそうです。
その石油事業の実権を握ったのが国営の石油会社ソナンゴル(Sonangol Group)でありコングロマリット(同族企業)です。
ソナンゴルはドス・サントス氏の家族と彼の政党の権力者層によって直接的に管理されていました。
ソナンゴルの石油事業がアンゴラの経済成長を大きく支えたことは間違いありません。
アンゴラは「ダイヤモンドの原石のような国」と言われているそうです。ダイヤモンド以外に金、銅、ボーキサイト、鉄鉱石、ウラン等様々な資源が眠っています。
経済成長を遂げた首都ルアンダの海岸線には先進的な都市が広がっています。
■「資源の呪い」とは
ダイヤモンドが取れるのに貧しいのはなぜか?
ここで、少し資源の呪いについて説明します。
「資源の呪い」とは資源の不足が成長を停滞させているのではな く、豊かな資源を抱え込んでしまったことが呪いと なって災いする問題で、1990 年代半ば頃から「資源の呪い(resource curse)」 と呼ばれ、アフリカの抱える問題の一つとなりました。
「資源の呪い」とは資源の不足が成長を停滞させているのではな く、豊かな資源を抱え込んでしまったことが呪いと なって災いする問題で、1990 年代半ば頃から「資源の呪い(resource curse)」 と呼ばれ、アフリカの抱える問題の一つとなりました。
資源の輸出
比が高い開発途上国で、輸出品への依存度が高いほど1人当たり成長率が低くなるのです。
重要な問題は経済面において石油や鉱物といった特定資源にいつまでも依存することは、国の成長の鈍化と貧困拡大の傾向
を強めるということです。一次産品に頼ることで知的水準も技術力も向上しないのです。このような国家を「レンティア 国家」(もっぱら天然資源等によるレント収入で賄われている国家)といいます。
実際には欧米や中国の資本で鉱産資源の採掘がおこなれ、海外の企業が利益を横取りしています。
そのためにも欧米や中国の企業にいつまでも依存するのではなく、アフリカ独自の企業が中心となっていくことも大切でしょう。
■女性初めてのアフリカ発億万長者も
1979年9月アンゴラ解放人民運動MPLAの代表 ジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス(ポルトガル語: Jose Eduardo dos Santos)が就任して以来高級官僚、軍司令官、政治経済のトップに様々な利益提供がなされるようになりました。以後、2017年にドス・サントス氏が約40年勤めた大統領を退任するまで彼の長期政権は続きます。
またその間娘イザベラ・ドス・サントス氏はここ数年、40ヵ国以上の国々に異なるセクターで数多くの企業を築き上げつつ、ポルトガルの銀行やケーブルテレビ局の株を積極的に購入し巨額の富を得てアフリカで女性として初めて億万長者にランキングしました。
(しかし租税を回避したり不正蓄財の疑惑で、大統領を引退した父ドスサントス氏の後継者がイザベル氏を解任しました)
アンゴラの物価は以上に高く、海岸沿いのレストランが1人1万円、ホテルが400ドルもしたそうです。
また消費財、生産財すべてが国際価格を上回る値段で取引されて利益も僅かだったそうです。
政府側と反政府側で続いた内戦でインフラである道路、鉄道、工場は破壊され、自分の農地を放棄せざるを得なくなり大量の難民化が起こった為でした。