カモミール
今から4千年以上前のバビロニアですでに薬草として用いられていたと言われ、ヨーロッパで最も歴史のある民間薬とされている。日本には19世紀の初めにオランダから渡来し、その後鳥取や岡山などで栽培が始められた。
<性状>
ヨーロッパから西アジアにかけて分布し、草丈60cmくらいになる。葉は羽状複葉で、春先に、中心の管状花が黄色で、舌状花が白い直径3cmくらいの頭花を多数咲かせる。花にリンゴに似た特有の強い香りがある。
<利用法>
安全で効果的なハーブとして、古くからヨーロッパ、アラビアで利用された。中世までは特にフランスなどで薬草として用いられ、健胃・発汗・消炎作用があるとして、婦人病などに用いられていた。ハーブ処方の古典、バンクスの本草書には、肝臓の痛み、頭痛、偏頭痛などに効能があり、ワインと共に飲むと良いと書かれている。なお、カモミールに含まれるルテオリン及び赤ワインに含まれるプロシアニジンには、どちらもエンドセリンの阻害作用が存在する。
現在は主に安眠・リラックス作用を目当てに、乾燥花にお湯を注ぎハーブティーとして飲む。複数の似た薬効のハーブをブレンドして飲むこともあり、近年は自家製オリジナルブレンド品を販売する専門店も増えてきており、紅茶葉などとブレンドしたハーブティーも市販されている。こうした飲み方は基本的には漢方薬の煎じたものと同一であり、東西を分けて同じ時代に発展してきたものでもある。
【学 名】 Matricaria recutita
【種 類】 一年草・多年草
【草 丈】 40cm~100cm
【原産地】 ヨーロッパ
【分 類】 キク科・カミツレ属
【別 名】 カミツレ、カミルレ、カモマイル
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