2022年2月28日

2019年 天空列車 青蔵鉄道・チベット拉薩・ネパール 西域ヒマラヤ密教の旅‼️


2019年 天空列車  青蔵鉄道・チベット拉薩・ネパール  西域ヒマラヤ密教の旅‼️


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2022年2月 5日

原初の精神 -アフリカ近代史・現代史- モロッコ[1]

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原初の精神  -アフリカ近代史・現代史- モロッコ  [1]

Primordial spirit 
- African modern history / present history - Morocco

モロッコは数多くの王朝が興亡したムスリムの国でアフリカ北西部に位置する立憲君主制の国家です。
西は大西洋、北は地中海、南東はサハラ砂漠、中央にはアトラス山脈がそびえています。

アトラス山脈はサハラ砂漠の熱風を遮るとともに、地中海の湿気で雨をもたらすことで、モロッコのあるマグレブ地域の住民に住みやすい環境を提供しています。

モロッコは1000年以上の歴史を持つフェズ、首都ラバト、マラケシュ、カサブランカ、シャウエン、メクネス、ムーレイイドリス、ワルザザード、エッサヴィラ、タンジェなど歴史のある都市が多数あります。

古都マラケシュ
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モロッコの歴史イスラム教成立の時期と同じですから、エジプトのように紀元前に遡る古さではありません。

今回よりモロッコの歴史と文化を5回に分けてお送りします。
第1回  イスラム教の到来、イドリス朝の成立
第2回  ムラービト、ムワッヒド、マリーン朝
第3回  ワッタース、サアド、アラウィー朝
第4回  近現代  ムハンマド5世、ハッサン2世、ナショナリズムと独立

最終回はモロッコの歴史的に有名な観光都市をいくつかご説明します。

イスラム教の栄華と発展を象徴するかのような、モロッコの歴史をご紹介出来ることを嬉しく思います!

モロッコ ワルザザート
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モロッコ マグレブ料理
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先史時代にベルベル人が現在のモロッコに現れました。モロッコの人口の多くはアラブ人とこのベルベル人が占めており、ベルベル人はモロッコの独立自治を守り、歴史の中で大きな役割を果たした民族です。

紀元前3世紀からベルベル系のマウレタニア王国が栄えました。このマウレタニア王国はローマの支配下で衰退します。
ローマ支配下のモロッコでは、タンジェ、リクソスなどローマ風都市が建設され内陸部で栽培された小麦、オリーブがイベリア半島に輸出されました。しかしながらアトラス山脈以南やサハラ砂漠以南ではローマの影響はほとんど受けませんでした。

マラケシュの市場
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モロッコにイスラームの到来

最初にイスラーム都市が北アフリカに現れたのは、今のチュニジアにあたる地域に建設されたカイラワーン(ケルアン)です。チュニジア中部の内陸部にある古都であり、670年,ウマイヤ朝が派遣した北アフリカ総督ウクバ・ブン・ナーフィーが建設した軍営都市で、マグレブ地方最古のイスラム都市です。

8世紀初頭にはイスラム帝国であるウマイヤ朝が東方から侵攻してモロッコを征服し、モロッコのイスラーム化とアラブ化が始まります。
788年にアッバース朝に対し反乱を起こし、その勢力争いに敗れたアラブ人 ムーレイ・イドリース1世はモロッコの母方の地域に亡命しました。

ムーレイとはイスラム教で「聖者」の意味です。
(イスラム聖者の話はまた別途説明の機会を設けようと思います。)

イドリス朝の建国と伝説

たぐいまれな才能に恵まれ勇敢なイドリス1世紀は、原住民ベルベル人の支持を受け、フェズ  にイスラム王朝を築きました。彼は渾身の力でベルベル人、アラブ人をイスラム教に改宗させます。

イドリース1世はシャリーフという預言者ムハンマドの末裔の家系でした。

フェズは1000年以上続く世界最大の迷宮都市であり、一説によれば神のお告げで生まれた都市と言われています。イドリス1世がフェズを建国した時にこのような伝説があったと言われています。


有名なフェズの染色作業

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イドリス1世がフェズ川周辺に都市の建設の構想を練っていたとき、老人が現れて「この地にはかつてフェズという都があったが、滅んでしまった。やがてイドリスを名乗る男がやってきて町を再建するでしょう。」と告げたことで、彼は「この町の再建が神から与えられた私の使命であり、アッラーの名のもとにこの町をフェズと名付けよう。」と、決意したといわれています。


イドリス1世が亡くなったあと、彼は自分の作ったイスラム教の聖者の街「ムーレイイドリス」の霊廟に埋葬されました。今でもこのイスラム教の聖地は緑の街と言われて、山奥で神秘的な雰囲気をたたえているそうです。

フェズの大発展

その息子ムーレイ・イドリース2世の時代にフェズは正式に首都となります。チュニジアやスペインから新しい移住者を受け入れました。
街の中心にはフェズの建設者イドリース2世の霊廟(「サヴィア・ムーレイ・イドリス廟」)があり、国中から巡礼者があとをたちません。巡礼者はバラカ(神の祝福)を得ようとして、墓に近づいて祈願し、子育てや結婚祈願をするのでした。

イドリース2世のもと、フェズはイスラム諸学の知識人が集まるモロッコの芸術・文化・学問の中心地として繁栄し、マドラサという学校も作られました。
フェズは驚異的な発展を遂げ、857年から859年にかけてカラウィンモスクが設立されました。
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